新人看護師にとって、技術の習得以上に心をすり減らすのが、先輩看護師との人間関係ではないだろうか。
特に、指導が厳しく、威圧的な雰囲気を持つ怖い先輩がいれば、出勤前の足取りを重くさせる大きなストレスとなる。
顔色を伺うあまり、動悸がしたり頭が真っ白になったりすることもあるだろう。
しかし、ここで萎縮して完全にコミュニケーションを絶とうとするのは最も避けるべき事態である。
それは結果として情報共有の漏れを生み、患者の安全を脅かすことにもつながるからだ。
関係の断絶を防ぎ、知識を深める意味でも有効なのが、勇気を持って質問を投げかけることである。
わからないことを曖昧にして放置することは、プロとして無責任な行為とみなされる。
先輩が忙しそうにしていると声をかけるタイミングに迷うものだが、緊急性を判断したうえで「今、一点だけお伺いしてもよろしいでしょうか」と簡潔に切り出す勇気が必要だ。
質問してもわざと無視をするなどのハラスメント行為があるのなら、上司への報告が必要である。
そうでないなら、冷たい返事が返ってきたとしても個人への攻撃と捉えるのではなく、現場の緊張感ゆえの対応であると割り切るのが良い。
また、先輩から厳しい指摘を受けたときには、言い訳をせずに素直に受け止める姿勢が大事だ。
自分を守ろうとする反論は、指導側からすれば成長を阻害する壁に見えてしまう。
「ご指導ありがとうございます」と一言添えるだけでも、先輩側に好印象を与えるものだ。
指導の言葉の裏にある「安全な看護を行ってほしい」という意図を汲み取り、謙虚な態度で挑む姿勢があれば、周囲は自然と助けてくれるはずだ。
周囲を味方にするという意味でも、誠実な振る舞いを続けることが欠かせないのである。